引越し
2001年3月1日今日は引越しだった。
住んでた部屋が狭かったのと、子供がこの先もう少しして小学生になった時に机を置く場所もないってくらい物が増えたので、不動産屋さんに行って物件を探してきてたの。
旦那は案の定何も言わないし、何も聞いてこなかった。
引越しの日にちも、金銭面に関する事も。
あたしが、何も言わなかったらこの人どうするつもりだったんだろう。
もう、何も期待してないし何の感情もないけど、予定はこなしてもらわないと困るので、必要事項だけ伝える会話が続いてた。
杏子はそう言う状態を知ってるので、心配してくれてるみたいだけど、あたしは結構きつかった。
当日は引越し屋が来ても、梱包できてない荷物が山ほどあったけど、旦那は昼過ぎから仕事。
子供を親の仕事場に預かってもらって、一人でダンボール箱15〜6箱分、一気に詰めた。
あたしは、一体何のためにこんなことをしてるんだろう?そういう気持ちがふとよぎったりして、体力的にも精神的にもかなりきつかったのね。
でも、これでもし、あたしがいなくなっても子供には充分な家に住んで上げさせられる。
本当は分譲なんだけど、家主がいない間賃貸で・・・の物件なので、永久的に大丈夫なわけじゃないけど、もしここを立ち退かなければいけなくなったころには、あたしはもういないかもしれない。
その時は、2人で住める家をまた探せばいいだろ う。あたしの中では、そう言う複雑な思いの引越しだったのね。
この日は杏子が偶然こっち方面の仕事で、それは聞いてたんだけど、杏子も「忙しいだろうから、会えないね」って言っててあたしも諦めてた。
でも、杏子は仕事が終ってから来てくれた。
本当は会社に帰らなきゃいけなかったのに、あたしが一人で予想以上に大変な目に会ってるのを見て、「電話連絡すればいいから」って言って会社に電話して、直帰扱いにしてもらってくれた。
新居に荷物の搬入が始まったのは、夕方5時過ぎ。
旦那が準夜勤みたいな時間帯の仕事だから、朝からはきついだろうと思って昼の2時からにしたのに、こんなことなら朝からにして置けばよかった。
オマケに雨が大降りで大変。
そのころにはあたしは、限界が近づいててもうフラフラだったの。
引越し屋さんに差し入れする飲み物等を買いに行かなきゃいけなかったんだけど、そんな時間もなくて、「どうしよう・・」とか思ってたのね。
そんなあたしを見て杏子は素早く買いに行ってくれた。
荷物の整理も手伝ってくれて、多分あたし一人じゃ出来なかった。
フラフラしてるあたしを気遣ってくれながら、てきぱきと動く杏子を見て、あたしは何も言えない気持ちになってた。
本当にありがとうって。
杏子は「忙しいだろうから邪魔しちゃ悪いと思ったんだけど、来てよかったよ」って笑いながら言ってくれた。
親から差し入れに貰ったお弁当とお刺身を、引越しそば代わりに杏子と2人で食べた。
新居でご飯を食べる一番最初の相手が杏子だった事を、あたしはとても嬉しく思った。
どんな言葉でも言い尽くせないくらい、杏子に感謝して、引越しは何とか無事に終ったのです。
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